荒地の家族(佐藤厚志)について少しだけ語ります

「ポメラ」に惹かれて、珍しく芥川賞受賞作(いわゆる純文学)なぞ新刊で買って読みましたが、ポメラを抜きにして面白かったです。いや、ポメラを抜きも何も、作中にポメラは登場しないのですが。 人が生まれ、死んでいく。その命の儚さ、ときに理不尽に失われていく命を、釣られる魚に仮託したように感じられました。専業の漁師ならともかく、産卵のために生まれた川に帰ってきた鮭を遊び半分のように釣って殺し…

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