六四五年への過去わたり~平城の氷と飛鳥の炎(牧野礼)

奈良時代を舞台にした物語です。この時代についての基礎知識は「大化改新」とか「聖徳太子」という断片しか持たないのですが、数ページ読み進むうちに物語に入り込めました。江戸時代くらいならテレビの時代劇などで得た知識で背景を補えますが、あまり情報のない世界へと無理なく誘ってくれる作者の筆力には驚かされます。 物語は奈良時代のファンタジーなのですが、人の世はいつの時代の似ています。高貴な方か…

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