長谷邦夫の「漫画に愛を叫んだ男たち」で紹介されていた『漫画少年』史 (寺田ヒロオ)を読んでみました。
投稿時代からデビュー当時の藤子不二雄や赤塚不二夫、石森章太郎らの初々しい作品や、今ではほぼ無名の漫画家たちの作品が紹介されています。
もちろんそれらは今から見たら古くてとても現代の子どもたちを笑わせることはできないでしょう。しかし、そうした歴史の積み重ねの上に、現代のマンガが成り立っていることを忘れてはイケマセンね。
健全で明るい漫画にこだわり断筆し、最後は自ら進んでアルコール中毒になり緩慢な自殺を選んだ寺田ヒロオが、どういう気持ちでこの本を編集し、また気が進まないながらも(「漫画に愛を~」による)出版記念パーティーに出席していたのか。
どんなに作者が「これは良い漫画だ」としても、仮にそれがまさしく子どもの健全育成に結びつくものだとしても、読まれない漫画は売れない漫画であり、売れない漫画は失敗した漫画なのです。結果としては。
漫画に限らず、音楽でも絵画でも小説でも同じことですが。
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