広島を舞台にした児童文学作品です。
冒頭、主人公が放課後の教室で先生に問いただされています。
それは、将来について書いた作文が、「まっとうに生きる」だったから。
「まっとうに」というと悪いことをしないで、という意味に感じますが、本人は夢など追いかけずに地道な人生を考えているのです。
小学校5年生ですから、先生が心配するのも無理はないかもしれません。
夢に否定的な少女、というと2015年の朝ドラ「まれ」を連想しましたですよ。
母と祖母で営む便利屋(「べんり屋」とされている)に舞い込む依頼を中心に主人公が色々なことを感じたり考えたりする物語なのですが、全体に散漫で話しが収束する気配を感じませんでした。これは最初から連作にする予定だったからでしょうか。
現に「秋」「冬」と出版されていますから。
読むのが楽しみです。
この記事へのトラックバック
この記事へのコメント