やっぱりトシのせいなのか

パン屋さんでパンを二つ買ったときのことです。
店員さんがにこやかに、
「ショクギョウはおひとつでよろしいですか?」
と尋ねるのです。

( 職業がひとつ? ってことはふたつの場合も? )
ハンサムだといわれることはしょっちゅですが、会社をいくつも経営するビジネスパーソンに見られた経験はありません。

それともあまりに貧相で風采が上がらないものだから、
「会社員だけじゃ給料が足りないんじゃないの? よかったら、ここでバイトする? あなたならハンサムだから、ぜひ一緒に働きたい!って、奥にいるオカマの店長が言ってますけど」とでも言いたいのでしょうか?

いや、ちょっと不自然ですね。

そこですばやく、脳内で辞書検索を始めました。
人間の脳には正規表現をも交えた強力な検索機能だけでなく、状況に応じて使われるであろう単語のリストもあるのです。

そして、0.2秒後。

店員さんが言及したのは、「ショクギョウ」ではなく、「おしぼり」だということに気がつきました。
「シ」しか合ってない!

ちなみにアンサンブルの前のチューニングは、「シ(B)」じゃなくて「ラ(A)」。

元々、軽忽な人間ですから聞き間違いや言い間違いはしょっちゅうですが。
頃日は特に、こうした聞き間違いが増えています。
おそらく滑舌の悪い人間が増えたからでしょう。
それ以上に、ハンサムで上品な中年紳士が頽齢紳士になりつつあるため、耳が遠くなっているのだと思われます。

お店の人は、ゆっくり大きな声で話しかけるように。
問いかけ例「おじーちゃん、おしぼり、お手ふきですよ、ひとつでいいですかー?」
返答例「フガフガ、わしゃあ、食べておらん! 財布を盗ったのはせがれの嫁じゃ!」

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