いつもの帰り道。通勤のバスから降りて最初にすることは、バス停そばにあるコンビニエンスストアに立ち寄りトイレを借りることです。
二つあるトイレはどちらも使用中だったので、トイレブース脇で待っていました。間もなくひとつのトイレの戸が開き、若い男性が出てきました。坊主狩りのような髪型に野球帽みたいのを反対向きにかぶり日焼けした顔の顎にはカビが生えたようなヒゲ。ズボンは腰パンと言われるずり下がった履き方だが、全体的に体格はよく土木のお仕事をしているのか、単に腕力に任せて人生を過ごしてきたタイプに見えました。
まあどんな人生にもトイレは必要です。ハンサムで上品な中年紳士には特に必要です。すかさずトイレに入ると目を疑うような光景がありました。
流してない!
幸いにも「小さいほう」なので、せいぜい便器の底にビールを注いだ程度の状態です。それにしても、無作法というかアホというかデリカシーがないというかバカというか。
さすがのハンサムで上品な中年紳士も、日ごろの温厚さをかなぐり捨てて、件の若い男を追いかけ肩をつかんで振り返らせて「終わった後のトイレくらいちゃんと流せ!
ネコだって砂をかけるぞ! お前はネコ以下か?
確かにネコの愛らしさには及ぶべくもない品格も知性も欠片すら感じられない顔つきだが、トイレを流すくらいの知恵はあるだろう?
その筋肉で盛り上がった肩の上に乗っているのはなんだ? 頭だって? そんな常識もわきまない愚かな脳みそしか詰まってない頭ならどっかにうっちゃってしまえ!
代わりにサッカーボールでものせておいて、次のワールドカップのときに蹴飛ばしてもらえ!」と啖呵を切りたかったのですが、尿意のほうが切羽詰っていましたので、そちらを先に解決しました。
用を済ませてトイレを出ると、例の若造は何か買い物をしているところでした。今から苦情を持ち込んでも間があきすぎています。第一、相手が悪い。こちらは心臓冠動脈バイパス手術の傷からようやく癒えつつあるハンサムで上品な中年紳士で、向こうは病気ひとつしたことがなさそうな筋肉男。ケンカになって不利なのは、羸弱な貴公子であるのは自明です。
それにもし万が一、相手が思いのほか素直な青年で、あっけなく謝罪を受けたり頭を下げられたりすると、かえってこっちが言いがかりをつけたような気分になるではありませんか!
しかも、相手は買い物をしているし、こちらは何も買わずにトイレだけ借りて店を出るつもりです。お店にとってどちらが良いお客さんであるかは考えるまでもありません。
そういうことを勘案して引き上げてきましたが、若造も店の中で腰パンが下がりすぎたのをずり上げているところでした。バカは仕方ないが、せめて人前でパンツを見せてズボンを直すのはよせ!
世が世なら手打ちにしてやりたいところです。
もっとも世が世なら、ハンサムで上品な中年紳士がすでにどこかでお手打ちになっている可能性も排除しきれないのでした。例えばコンビニエンスストアのトイレを使って買い物ひとつせずに退店した無礼とか。
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この記事へのコメント
海
啖呵の件、少しパタリロ風に
感じました。もちろんわかりますよね?(笑)
それにしても水を流さないのは論外ですが
意外に自動で流れるものだと勘違いしてたのが
正解かもしれませんね(笑)
ところで同様に思う事があり、
駅のトイレとかで毎回思うのですが
想像以上に手を洗わないで出て行く人が
多くて驚きます(笑)
トイレの後は手を洗うというのは
最低限のエチケットだと思います。
女性読者の方々、世間の男性(とくに
おじさん)は、想像してるよりも
手を洗ってませんよ!(笑)
おなら出ちゃっ太
コメントありがとうございます。
啖呵のネタを分かっていただいてうれしいです。殺し屋に扮したヒューイットがバンコランを狙撃したと見せかけたときに、悪者の下っ端に言ったセリフですよね。元ネタは落語の「抜け雀」に出てきます。
それにしても「自動的に流れると思い込んでいた」というのはありそうですね。そうなるとますます苦情を持ち込まなくてヨカッタ、というところですな。
仮にそうではなくとも、そう思っていたほうが腹も……、やっぱり立つよ!
心が狭い貴公子です。(^_^;
手を洗わない人、確かに多いですね。まあ下手に手を洗って水気をその辺に撒き散らされるよりマシかも知れません。どうせ、そのオヤジの手を握る機会は永遠に来ないでしょうし。
たけちゃん&ビーフ
コンビニ店長
おなら出ちゃっ太
コメントありがとうございます。
2回に一回は多いなあ、コンビニエンスストアで買う物はそんなにないし…
(^_^;