narkejpさんのブログを拝見して購入したのが下の画像の本、のうち左の2冊です。
先日、「友だち幻想」を読了しましたが、示唆に富んだ本でした。ちくまプリマーというから若年層向けのシリーズであり、話柄も語り口も子ども達に聞かせるようなスタイルです。
しかし内容は大人にも大切な事柄が書かれています。それは人間関係を健全に保つ上で大切なのは距離感である、ということです。
人間、誰とでも仲良くできるワケではありません。気が合う人もいれば、そうでない人もいます。それどころか、「こいつだけはどうしても虫が好かない!」という相手もいるはずです。理由は定かでないのに。
それなのに子どもは、「小学校に入ったら友だちが百人できる」とか「クラスのお友だちみんなと仲良くしましょう」なんて甘過ぎる砂糖菓子を無理矢理に口に押し込まれるような無理を強いられる。
本書では哲学者ニーチェの言葉が引用されています。
「愛せない場合は通りすぎよ」
仲良くできない人がいるのはやむを得ない、そういう場合は近づくな。
無理に愛そうとするから、仲良くしようとするから軋轢が生じるのです。
似たようなことはネット社会でもあって、いわゆる「炎上」というのは「通り過ぎ」ることができない人間が引き起こすのかもしれません。
「愛せない場合は通りすぎよ」式であれば、
自分とは異なる意見がある→そういう考えもあるか→この人の発言からは遠ざかろう。
ところがそれができない人は、
こいつの意見はオレと違う→許せない→撤回するか謝罪するまで反論コメント書き込みするぜ!
となってしまうのですな。
こういう点でも、大人にとって大切なことが書かれている本であるといえます。
ちなみに本書については、テレビ番組で人気予備校講師の林修氏も言及していますので、ご覧になった方も多いのではないでしょうか。
この記事へのトラックバック
この記事へのコメント