個人的にはお宝級の音源を発掘しました

旅行前に物入れを片づけていたら、思いがけないものがでてきました。

画像


余人にとってはいざ知らず、個人的にはお宝級の音源。ここ数年、探していたカセットテープなのです。

カセットケースの背表紙(というのかな?)にはぞんざいにアーティスト名が書いてあるだけですが、大切な音源です。大切ならそれらしくしたらどうか、というご意見はもっともです。

画像


中身はFM放送をエアチェック(死後か?)したものでフラメンコギタリスト、パコ・デ・ルシアの曲が数曲収められています。曲は「二筋の川」、「天才」、「魂の響き」、「火祭りの踊り」の四曲。

ご存じの方はご存じでしょうが、パコ・デ・ルシアはフラメンコギターとジャズを融合させたいわゆるフュージョンスタイルの演奏を確立しました。伝統的な演奏スタイルを重んじるフラメンコギターの世界では革新的な奏者です。
ジャズギタリストの中でもロックよりのアル・ディ・メオラにも大きな影響を与えました。アル・ディ・メオラのヒット作「地中海の舞踏」は「二筋の川」に触発されたといいます。確かにコード進行や曲の構成がよく似ています。まあ似ているも何も、「地中海の舞踏」はアル・ディ・メオラとパコ・デ・ルシアのデュオなのですけれども。
「二筋の川」はベースギターで始まるフュージョンスタイルの曲です。最初はのどかなのですが、川が次第に急流にさしかかるように、胸をかきむしりたくなるほどに扇情的な演奏が聴けます。
「天才」は、フラメンコスタイルのソロ。これまた、火の出るようなギターテクニックに胸が熱くなる。
「魂の響き」はオーケストラとの共演。スペインの高い空に向かって音楽が昇っていくようです。ああ、こういう曲を弾いてみたかった!

画像


再生してみても、特に音質が劣化しているということもないようです。カセットテープの性能、恐るべし! しかも音楽用とかメタルテープとかではない、おそらくは英会話学習用程度のテープですよ、これ。それでいて三十年の時を経て音楽鑑賞に耐える音質をキープしているってスゴイよ。

まあハンサムで上品な中年紳士が、オーディオや音質に詳しくもなくあれこれと注文をつけるようなうるさ型でないことは差し引いて考える必要はありますが。

今時のデータ保存媒体を三十年後に聴こうとしたら、骨董屋で再生可能なディバイスを買ってくるところからはじめなくちゃいけないかもねー。

この記事へのコメント


この記事へのトラックバック