今年(2021年)のオリンピックは、と書くと毎年やっているみたいだけど、歳をとって年月の流れを矢の如く感じるようになると、本当に毎年、何らかのオリンピックをやっているように感じます。ともあれ、今回のオリンピックでは、公道での聖火リレーがあちこちで中止されました。いうまでもなく、新型コロナウィルス感染症拡大予防のためであります。
それでも小規模な、限られたエリアでの聖火リレー的なセレモニーは行われたようです。テレビニュースでも何度か目にしました。あれは、見ていて気恥ずかしいというか、見ちゃいられないシロモノでしたねえ。
トーチキス、というのかな? トーチとトーチを近づけて、聖火の火を移す行為。あの時に、やたらと浮かれたポーズをとっている人たちを見ていると、恥ずかしくてテレビから目をそむけていました。まったくの浮かれポンチとしかいいようのない無様でみっともない姿を全国中継されちゃって。あれが自分のことだったら、(久々に使うけど)「キャッと叫んで深い穴をほってもぐりこみたくなる」ところですよ!
コロナ禍にあって何を浮かれているんだ、という気分も多少はある、かもしれない。でも、コロナ禍とは無関係に、ああいう浮かれた騒ぎは苦手なの、嫌いなの。
聖火ランナーの人々にも色々とあって、前回(1964年の)大会に続いて聖火ランナーをつとめた、オリンピックを楽しみにしていたけど一昨年亡くなったお爺ちゃんのために走るんだ、なんて事情を語る人を見ると「聖火ランナーができてよかったね」と思うこともありますよ。ハンサムで上品な中年紳士だって、血も涙もない鬼じゃないんですから。
でもねえ、それにしても「あのザマはないな」というのが、一番率直な感想です。何しろ浮かれポンチぶりが板についていないから、痛々しく寒々しいったらありゃしない。みっともないったら、ありゃしない。まるで実直一筋三十年で町役場の庶務課を勤め上げてきたオジサンさん、そうだな、例えば今(2021年現在)をときめく菅総理風のオッサンが、何かの手違いで(手違いで女子高生とルームシェアする羽目になる男子高校生がいるくらいだからオッサンの転職に手違いがあっても驚くにはあたらない)シリコンバレーにポップな社屋を構えるスタートアップ企業に転職して、キャンディーウォールやらバランスチェアに囲まれて、クリエイティブなブレーンストーミングに参加するために精一杯ヴィヴィッドでイケてるインタラクティブマーケティングチームのシニアディレクター風にキメようとしている姿くらいに目も当てられない。
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