2024年1月14日(日)は待望のパット・メセニーのソロライブでした。
ひと言でいうと、「いや～、よかったです！」ですね。
とは言い条、それじゃあ何も伝わらないので、ちょっとだけコンサートや会場の雰囲気をお伝えします。
まあ、自分のための記録でもあるのですが。
会場は16:00で開演は17:00、ずいぶんと余裕があるんだなあ、と思ったのですが、もしかしたら物販コーナーに人を集めるためだったのかな？
ぼくは奥さんと一緒に行ったのですが、16時少し過ぎ会場ホールのhitaruがある創世プラザについたのですが、一階のモリヒコ藝術劇場で珈琲と(奥さんは紅茶で)ケーキのひと時を味わいました。パット・メセニーの前にケーキ、なんて贅沢な！ しかもモリヒコ藝術劇場は高いんだ！ 珈琲や紅茶が770円もするんだ、ホテル並みだ！
さてさて、席について17時を少し回ったころ、アナウンスが入っていよいよ開演です。メセニー本人の言葉かどうかはわかりませんが、英語のアナウンスのあと日本語訳が入りました。親切だな。ですが、明らかにメセニーは言ってないであろうこと(座席に関する注意など)も付け加えられて、いささか興ざめでしたね。時間までに着席してないとお席には案内できませんよって、すでに着席している観客に言ってどうするんだ？って感じで。
気を取り直しているうちにメセニー登場。アナウンスにあったとおり、新作の「ドリームボックス」だけではなく、これまでのアルバムの曲を弾き繋いでいく展開でした。
一曲目は、フェイズダンスかな？、と思っているうちに、Minuanoに変わりました。確か、Minuanoと思う(すでに記憶が曖昧)。
フェイズダンスのイントロはともかく、Minuanoはメセニーグループで演奏していたのをギター一本で聴かせるのですから、驚きです。
ほどなくして、「ファースト・サークル」に収録されていたPraiseへ。ああ、結婚式で新郎新婦退場に際に使った曲だよ、これは。
以降は、様々な曲が次々と浮かんでは消えるように弾き繋がれていく感じで、まさに夢かうつつかまぼろしか、浮かび上がったと思ったらとけて消える夢の断片のような音楽が会場ホールを、そして聴いているぼくたちの心に流れ込んできました。これは単に「メドレー」なんていう表現にはとどまりません。これまでのメセニーの曲をモチーフにした新たな音楽、それも即興演奏で一晩限りの、この場限りの音楽です。まさにジャズならではの一期一会の音楽に、ぼくたちは出会ったのですよ！
記憶が色々と曖昧ですが、このあとには「ミズーリの空高く」をモチーフにした演奏があったと思います。ベーシストのチャーリー・ヘイデンとのデュオで、ヘイデンからアコースティックギターでの演奏を強く進められた、と冒頭のアナウンスでも紹介されていましたから、たぶん演奏順はあっていると思う。
「ミズーリ」も前の演奏同様に、ただのメドレーではありません。
「ああ、あの曲のフレーズが……」と思っているうちに、次の曲の断片が聞こえてきて、本当に夢の中で聴いているようです。
まさに「ドリームボックス」です！
印象的だったのは、２本目のギターに持ち替えての演奏。
力強いストロークに終始した演奏なのですが、荒波を切って帆船が力強く進むような印象を受けました。
特に低音弦が芯のように音楽を貫いており、大河ドラマのオープニング曲みたいにドラマチックで力強い！
ギター一本での演奏なのに、ほぼストロークしかしていないのに(要するに、コードをかき鳴らしている)オーケストラを聴いているような音楽の広がりを感じましたですよ。
で、３本目のギターに持ち替えたとき、またまたビックリしました。
これはもう、単純にビックリ！
一瞬、プラグが抜けたか、アンプが壊れたのかと思ったんですよ。
それくらいのノイズでした。
でもそれはプラグが抜けりアンプが壊れたのではなく、メセニーのアバンギャルドな演奏でした。低音弦をピックで擦っていたのですね、あー、ビックリした！
その後も、ブリッジ近くをギャギャギャ、と掻きむしったりして、まるでぶっ壊れたＭＲＩの中にいるような気分でした。
これを中学生が文化祭で真似したら実行委員会と先生の手で５秒でステージから引きずり降ろされるであろうな、と思っているうちに、ギターは４本目に。
ハープというか、日本の琴を思わせる流れるような音のシャワーとともに始まったのは、ピカソギターによる美しい音楽でした。
前のノイジーな、夢は夢でもなかなか覚めない悪い夢のような音楽から一点して、またまた美しい夢の世界へいざなってくれました。
(長くなったので続く)
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たけちゃん