探偵さんのその後が心配なゴルゴ13のエピソード

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幾多の名作エピソードにことかかないゴルゴ13ですが、ゴルゴ本人がまったく登場しないこともあります。
今回取り上げる「ヒット・エンド・ラン」も、そのひとつ。

探偵のエドは、婚約者をマフィアのボスによるひき逃げで失う。この事故は、マフィアのボスによる完全な不注意(かなり悪質なのだが割愛する)であり、エドへの遺恨などではない。
エドはひき逃げ犯をマフィアのボスと特定するが、違法な手段をも用いたため立証は困難であることがわかる。

一方のマフィアのボスは、捜査の手が及ばないことに安心していたが、そこへ情報屋がやってくる。
情報屋が売りつけたのは「エドがゴルゴ13に、ボスの殺害を依頼した」というもの。

ゴルゴ13の恐ろしさを知っているマフィアのボスは怯えて落ち着きを失い、その様子を見た部下も離れていく。
国外に逃れようとしたボスだったが、窓に一発の銃弾が撃ち込まれたことで臨界点に達し、警察に自首。ひき逃げを自白する代わりに身柄を保護してくれと懇願するのだった。

実は、エドが情報屋に金をつかませて、自分がゴルゴ13に依頼したという情報を流した心理作戦。仕上げに窓に一発ピストルを撃っただけ。
しかも「本当にゴルゴ13に依頼したのか?」という情報屋の問いに対して、
「探偵にそんな金があると思うか?」と返しています。つまり、偽の情報だったわけですね。

ここで気になるのは、ゴルゴ13のルールのひとつに「自分の偽物を作ることは許さない」があること。
ゴルゴを利用したエドが、「許さない」とゴルゴに始末されたりしてないか、その後が多少気になったエピソードでした。

もっとも、こんな細かいことまでゴルゴ13がチェックしているとも思えないし、仮にチェックしていても、
「まあ……、いいか……」くらいに見逃してくれる、ような気もする。

この記事へのコメント

  • しろまめさん、どうもです。
    主役を登場させなくても、きちんと
    物語が成立するという、お手本のような話ですね。
    もともと1話の中で数コマしか出なかったり
    一言も喋らなかったり、なんて事も多いです。
    ちなみに、パタリロの中にもゴルゴの名前は
    何回か出てきました。パタリロが、「スナイパーを
    雇おう」と言ったら、部下のタマネギが、
    「まさかあの男を・・・」なんて感じで
    ゴルゴの横顔が描かれていたりした事も。
    「あいつはギャラが高すぎる」なんて感じで
    パタリロが却下しましたが(笑)
    2024年06月28日 22:09
  • しろまめ

    海 さん>>
    コメントありがとうございます。
    本人が登場しなくとも物語が成立する。これはキャラクタの強さがなくては無理で、個性の塊みたいなゴルゴ13ならではでしょうね。
    いくらパタリロが個性的でも、本人抜きでは……。
    いや、膨大なエピソードがあるので、もしかしたらパタリロが出てこない回があっても不思議ではありませんが。

    ◯◯国のマリネラ大使館にパタリロ殿下が来るぞ!という噂に翻弄されるタマネギたち。
    そこへ、仕事でやってきたバンコランが……。

    2024年06月29日 21:39