
ぼくが通っていた高校は制服がありませんでした。
それは楽なこともであったのですが、それなりに面倒なこともありました。
学校に何を着ていったらよいか、わからなかったのです。
中にはおしゃれな生徒もいたかもしれませんが、そこは田舎の進学校。
しかも昭和50年代です。
おまけに北海道ともなれば、春先も肌寒い日が多く、どうしても上に羽織るものが欲しい。
ジャケットでもあればいいのですが、前述したように昭和50年代の地方都市です。
着るものがなくて、上だけ中学で着ていた学生服で通学していた生徒も多かった。
ぼくもその一人です。
要するに、下はジーンズ(当時の言葉ではGパン、と書いてジーパンと読む)で上は学生服という珍妙なスタイルの男子がうようよしていました。
女子はまあ、それなりにおしゃれな子や、真面目なお嬢さん風の子が多かったですけどね。さすがに中学の制服を着ていた女子は皆無でしたし。
後年、西岸良平のマンガを読むと、昭和30年代の大学生は、上は(おそらく高校時代の)学生服で下はGパン(なんのことか、分かりますね?)というスタイルに描かれていました。
してみると当時の潮陵生は、ふた昔くらい前の大学生のファッションで過ごしていた、ということですね。
今ほど情報の伝達が早くなかったので、東京の大学生のファッションが地方に浸透するのに、それくらいの時間がかかった、という証拠です。
ちなみに、いくらなんでも今はもう、中学時代の学生服で投稿している潮陵生はいません。
とっくの昔に絶滅していますが、最後に確認されたのはいつごろだったのかなあ……。
この記事へのコメント