ぼくが一方的に勝手に心の師と仰いでいる、山下みゆきさんの作品。
山下さんらしいホラーで、「ツクバイ」とか「欄間」とか、日本家屋の用語が散りばめられています。昨年、富山を旅行した際に訪れた高岡の「菅野家住宅」の造りを思い出しました。しかし日本家屋の構造物なんて、およそ今どきの子どもには馴染のない単語なんですが、分かりやすく、だけど説明臭さのないさりげない筆致で自然にわかるように書かれている。さすがだな~、とうならずにはいられません。
和風テイストの舞台設定なのですが、どこかモダンな感じもするホラーで、子どもが夢中になるに違いありません。
山下さんのブログを拝見していると、神社仏閣から古民家、植物などに深い関心と造形をお持ちであることがわかります。
その旺盛な知識欲で培われたバックボーンがあって初めて、あの緻密でリアリティに富んだホラーの世界が書けるんだなあ。
ぼくには真似ができません。
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