ふつうの軽音部3(原作」クワハリ・漫画:出内テツオ)

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『ふつうの軽音部』第3巻をやっと買えました。ツイッタ(『X』だってわかっているんだけど、もう、ワンパターンの芸のように繰り返したいんだ!)で、9月4日発売と宣伝されており、「買いました」のツイート(今はもうツイートではなくポスト以下略)を見るたびにうらやましかった。ですが、2日遅れでようやく買えました。

たぶん進学校ではないものの偏差値的にはそこそこ、と思われる高校の軽音部が舞台の物語です。登場人物も、タイトル通り、徹底して普通の子たち。主人公は自分の声に劣等感を持っていたが、バンド仲間によって実は人の心に訴える力を持った歌声であることを見出される。かと言って、天才的に歌が上手いとか、天才的にギターが上手になるということもなし。

軽音部内で「上手い」と評される子たちも、おそらくはどこの学校にいるような「上手いギタリスト」に過ぎないのでしょう。確かに上手いんだろうけど、悪く言えば井の中の蛙みたいなもので、大学で軽音部に入ったりバンド活動でライブハウスに行けば、もっと上手い連中がいくらでもいる。ちょうど、学校で一番の秀才が東大に入ったら、ごくごくフツーの学生でしかなかった、みたいな。

物語も、バンドの結成やら解散やらメンバーチェンジやら文化祭に出るとか出ないとか、ごくごく矮小なできごとばかりです。しかもバンドの離合集散も、音楽性の違いとかではなく、恋愛絡みだったりして実に高校生らしく微笑ましい。学生時代にバンドをやっていた人なら、思い当たるフシがありすぎるほどでしょう。

ちなみに3巻の表紙を飾るのは、主人公のバンドに一番最後に加入することになったギタリストの彩目ちゃんです。ネットの画像ではわからなかったのですが、コミックで手に取ってみると、ほんのりとはにかんだような笑顔がとてもかわいいです。口が悪くて物事を斜に見るタイプで、過去にいじめられた経験から周囲に対して常に敵愾心を持っている子なんですよ。でも、ここではかわいい笑顔。きっと、物語が展開していくうちに、心のしこりがほどけていく……のかな?

ともかく、次の展開が楽しみな漫画です。
62歳になって、漫画を読むのは昔の作品ばかりだったのですが、こんな面白い漫画に出会えるとは思いもしませんでした。

『次にくるマンガ大賞2024』で第一位というのも納得ですな。


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