ハンサムでお節介で上品な還暦紳士をしてきました
ぼくは基本的に他人のことに無関心で冷たい男です。クールでニヒルでハンサムだと自負しております。自負しているのは、誰も言ってくれないからです。
ですが同時に、ひどくお節介でもあります。まあお節介とは言っても、独身社員に「いい人がいるから紹介してあげるよ」と言って結婚相談所の営業マンに合わせて仲介手数料を掠め取るようなマネはしませんよ。
せいぜい道を尋ねられたら、大喜びで教えてさしあげるくらいです。まあそれも昨今ではスマートフォンの猖獗により、機会が甚だしく減っているのですが。
ところが先日、会社を早上がりして彗星見物に行った時のこと。なかなか焼き甲斐のあるお節介ができました!
札幌テレビ塔の地下1階で、ベビーカーを押した若いママさんが困惑していたのです。ご存じない方のためにご説明しますと、テレビ塔は地下1階まではエレベータが通っています。ですが札幌大通地下街(オーロラタウン)があるのは地下2階。そこまでは階段を降りるよりないのですよ。エスカレータは上りのみ!
(仮に下りのエスカレータがあってもベビーカーを乗せるのは危険です)
ママさんは、1歳半くらいのお嬢さんに向かって、
「仕方ないから、エレベータでもう一度地上に出て、お外を通ってエレベータを探そうね」ということをつぶやいていました。
その日は晴れていたとは言え、あまりに遠回りです。しかも地下街に通じるエレベータの場所も、よくはわかっていない様子ですし。
さあ、ここでお節介が発動しましたよ!
「地下街に降りるんですか? よろしかったら、ベビーカーを運びましょうか?」
「え? いいんですか? けっこう重いですよ」
「ちょっと、持ち上げてみてもいいですか? あー、ぜんぜん大丈夫です!」
「すいません、ありがとうございます、お願いします」
何キロとはわかりませんが、がっしりとしたベビーカーで、ハンドル部分に買い物が詰まっているらしいエコバッグがぶらさがっていたりします。
最低でも10キロくらいはあったかな?
ここで、
「お任せください、何を隠そう、箸より重いものを持ったことがありませんから」とか、
「なにしろご覧の通りの色男ですから、金と力はないんですよ」など、意味不明なジョークをかましたいところです。
ですが不安にさせても申し訳ないのでやめておきました。
ママさんがお子さんを抱いて、ぼくがベビーカーを抱えて階段を降りて、無事に地下2階までたどりつけました。
いやあ、途中で転んだり足を踏み外したりしなくてよかったです。
意味不明なジョークもひかえておいてよかったです。
この日は結局、彗星を見ることは叶いませんでしたが、焼き甲斐あるお節介を堪能できたヨカッタ!
そういえば、先日も小樽市内線のバスで、ベビーカーを持ったママさんがいて、降りる時にお手伝いしたんだった。
お節介はベビーカーに限りますね。かと言って、ベビーカーが通るのを待ち構えていたら通報ものですが。
あとは去り際に何か気の利いたお茶目なジョークを言いたいところですね。
「仔馬は元気ですか?」とか。
この記事へのコメント
海
お節介といえばそれまでですが
あまりに素敵なお節介ですね!
お節介というか、世話焼きというか、
このような事は大歓迎であります。
素晴らしい!
善行って、絶対に自分に戻ってくると思います。
別件ですが、私が以前にショッピングセンター内のトイレに
財布を置き忘れて絶望した時に、無傷で警備室に
届けられていた事があります。
この件があって以来、もしそのような落とし物があったら
必ず私も届けようと思いましたね。
ちなみに、「仔馬は元気ですか?」と聞かれ、
「ええ、元気にしてますよ」って返ってきたら
こちらとしては、相当焦りますな(笑)
しろまめ
コメントありがとうございます。
「仔馬も元気ですよ。今度、会いにいらしてくださいね!」
なんて返されて、さらに
「でも、ジャック(バンコラン)はいませんけど」なんて押されたら、もうグッと来てノックアウトですね。
お財布は無事に届けてもらってよかったですね。
中身だけ抜き取るとか、丸ごと盗まれる(ブランド物なの転売されるとか)、よくあるみたいですし。
そういえば、海さんの過去記事だったか、手帳を拾ったけど名前も住所もなく、書かれているのは名言金言だったのを橋の欄干においてきた、なんてありましたね。
「さすがは海くん、目につきやすいところに置ておくなんて、気が効いてるね」
とスタンプくんも枠外からほめてますよ。