この漫画もスタート当初からずいぶんと様相が変わってきました。第5巻の表紙は、主人公たちの先輩、新田たまき。第5巻前半では、彼女の過去が解き明かされていきます。
こういうふうに過去のエピソードに戻って展開されると、現在のストーリーが足踏みするみたいであまり好きじゃないんですけどね(個人の感想です)。ジャンプ連載の漫画は「実は過去にこういうことがあった」、とするパターンが多かった気がする。そうすることで登場人物の性格や行動の動機を明らかにしていくのですが、どうも後付けのこじつけの説明っぽいことが多かった。
「ふつうの軽音部」では、そこまで無理矢理な説明ではないのですが、いかんせん、今回のたまき先輩の過去編は長かった。これまでもメンバーの過去をさっと描写するシーンはありましたが、あくまでもさりげないもの。本人の中で、ほんのひと時だけフラッシュバックしているような過去の回想だったのに。
連載が進み人気が出ることで、若干方向性が変わってきていることもあるのでしょう。なにしろ、下の画像は1巻の表紙。能天気そうな女の子がギターを抱えて飛び上がっているという、極めて漫画的でユーモラスな絵です。
このころは、超初心者バンドのグダグダな日常みたいな漫画かと思ったのですが。主人公、鳩野ちひろが成長しヴォーカリストとして覚醒したことで物語の流れが変わりましたから。
もっとも、それで即プロになるほど上手い、とかではない。
学園祭のライブステージでライバルバンドと競い合う、というスケールの小ささがポイントです。これは決してバカにしているのではなく、スケールの小さいことが高校軽音部というリアリティに通じています。
この記事へのコメント