
家の光2025年2月号に掲載されているのは、第39回「家の光童話賞」優秀賞受賞作。
にしの桃子さんの『ヘンテコおいもほり』です。
タイトルに「ヘンテコ」とあるので、どんなドタバタかと思っていたのですが、その予想は大きく裏切られました。もちろん、とても良い意味で、です。
幼稚園の子たちが楽しみにしていた、おいもほり。
そこに行くまでのウキウキした気分が、冒頭の挿絵からあふれてくるようです。
せっかく楽しみにしていたのに、足を怪我してお休みしている子も登場します。
その子を気づかいながらも、いつしか、おいもほりの楽しさに夢中になっていきます。
そうなんですよ、別にその子たちが冷たいとかではなく、その場の楽しさや高揚感がまさるのは当たり前のこと。
けれども、あるきっかけから、お休みしている子のことを思い出す。
こうした子どもたちの心の動きにリアリティがあるからこそ、物語の流れがいきいきとして自然なんでしょうね。
楽しさとやさしさにあふれた世界で、読んでいて頬が自然にゆるみます。
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