
先日テレビで観た『ハリー・ポッター』シリーズですが、疑問に思うのは果たしてハリー・ポッターはすぐれた魔法使いだったのか、ということです。
今更なので、ネタバレで書きますけど。
ハリー・ポッターは悪い魔法使いに殺されかけたけど、額に傷を負っただけで生き残りました。それで「生き残った男の子」として魔法使いの世界で注目を集めたワケです。
ですがハリー・ポッターが生き残ったのは、母親(魔法使い)が守ってくれたから。
赤ん坊だった彼が、自分の力で生き残ったのではありません。
その後の成長を描いたのが『ハリー・ポッター』シリーズなのですが、その中で才能の片鱗を見せることはあっても、それが圧倒的にすぐれた魔法使いには結びつきません。
魔法使いの学校で学び、先生に導かれ、友だちに助けられ、そうして成長して、悪い魔法使いを倒すストーリーです。最初から「天才的な」魔法使いだったワケではない。
『ハリー・ポッター』の成長譚は、日本の少年漫画によくある直線的な成長物語や、最初から天才的な素質に恵まれ活躍する、というモノではありませんね。
その成長の過程にはかなり屈折した部分もあり、そこがまた文学的であります。
思えば、少年漫画の主人公の成長はけっこう単純ですよね。
主人公は登場したときから、周囲を圧倒する力を持っていることがほとんどです。
もちろん、時には戦いの中で傷つき倒れることもありますが、すぐに立ち上がります。
そこで修行をしたり、滑ったり転んだりしながらパワーアップして勝利をつかむのが王道パターンです。
それが悪いワケではありません。物語の進め方というか設定が違うんだな、ということ。
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