『ウルトラQ』『ウルトラマン』全67作撮影秘話:ヒロインの記憶(桜井浩子・青山通)

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ご存知、『ウルトラQ』では新聞社のカメラマン江戸川由利子、『ウルトラマン』では科学特捜隊のフジ隊員として活躍された桜井浩子が、両作品全67話について語り尽くした本です。

熱心なマニアなら他の本で知っていることもあったり、この本で初めて明かされたこともあるでしょう。が、ぼくはそこまで知識がなかったので、「へぇ」と驚くことばかりでした。女優、という立場で語られているので、衣装やヘアスタイルについての情報が多めですが、撮影秘話も満載です。

驚いたのがフジ隊員、いや桜井浩子氏がジェンダーに抗っていたことです。当時はそういう考え方はなかったかもしれませんが、フジ隊員も江戸川由利子も、旧弊な映画やドラマにおける「女性」とか「紅一点」、「女の子」という枠を飛び出そうとしていたんですね。
たとえば『ウルトラマン』の放送第一回は、制作順としては9作目。制作1~8作目までは、科学特捜隊本部で通信係としての勤務が多かったフジ隊員が、この回では自らジェットビートルを操縦しています。自分から希望してのことだそうですが、当時の女性キャラクタ像からはかけはなれたものだったのではないでしょうか。当時の女性キャラクタといえば、職場のお茶くみとかマスコット扱いですからね。

「この場面では(女性だから)号泣しなさい」という監督の指示にも不満があったそうで、彼女の中でフジ隊員は簡単に泣いたりはしない女性だったそうです。確かに、子どもたちのあこがれのお姉さんであるフジ隊員に涙は似合わない。
しかし、それでも脚本には従わなくてはいけません。気絶したり、負傷して戦線離脱という展開には不満だったようです。

このあたりは、監督や脚本家に「女性隊員は男性隊員を支える役」「男性隊員に守られる立場」という古い固定観念があったのでしょう。アラシ隊員や、ムラマツキャップが気絶したり負傷したのを抱えて戦うフジ隊員。見てみたかったですね!


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