そんな考えにとらわれて、友だちとも疎遠になった主人公の鈴。
ある春の休日、可愛らしい花畑に迷い込むのだけど、そこでヘビに驚いて花を倒して、畑の持ち主らしいお爺さんに叱られて……。
そんな偶然の出会いをからめて、今はもう栽培する人もいなくなった伝統野菜である小瀬菜だいこんの再生に取り組みはじめます。
相変わらず、ストーリーの紹介が苦手で困ります(笑)。
まあストーリーは読んでみてのお楽しみということで(←逃げた)。
「ちょっと変わっている」「夕焼け空の色はオレンジだけじゃない」「作物の多様性」などのキーワードから、自分らしさを大切にしてほしいという作者のメッセージを感じます。
途絶えてしまわないように小瀬菜だいこんの種を蒔くシーンでの、主人公の心の動きもグッと来ます。
伝統野菜が途絶えないように栽培に関わっている自分はすごいことをしている、という充実感に満たされてくるのですね。
同時に「すごいことのわりには、地味な作業だ」と考えたりもします。
さらに「すごいことの中身というのは、案外こんなことなのかもしれない」と悟る心の成長を読み取れます。
そうなんですよね。
「すごいこと」は、派手なこと、華々しいことでできあがっているんじゃないんです。
地味な、地道な作業の積み重ねの上に「すごいこと」ができあがるんですよ。
これ、大事!
ちなみに、いつもの喫茶店ドロシーで読了。
お昼ごはんを食べた上に、コーヒーとバスクチーズケーキまで……。
この記事へのコメント