
長期連載になるほど、初期設定が変わっていく漫画というのがあります。
大学生のころ流行っていた漫画がそうで、連載が長引くにつれて「過去にこういうことがあった」「この人はこういう思いを抱いている」という回想シーンが頻繁に差し込まれる。
友人のひとりがそれを「最初の設定がどんどん嘘になっていく」と評していました。
作者も編集部も予想しなかったほど作品がウケたため、当初は「ここで終わるはず」だった場面を超えて連載が続いたのでしょう。
そうなると色々と辻褄あわせが必要になり……。
まあ仕方のないことですが、最近はそういう漫画の展開についていけなくなりました。
そしてまた、そういう展開の漫画が多いんですよね。現在の場面で話が1~2ページ進むと回想シーンに入って数ページ。
こちらの頭は現在と過去を行ったり来たり、バック・トゥ・ザ・フューチャーしなくてはなりません。
物語が膨らんで登場した新たなキャラクタの過去語りを読むのも、もう疲れたのです。
これは頽齢により、理解力とか適応力とか根気とかが足りなくなったのかもしれません。
足りているのはハンサムさと上品さくらいなものです。
できることなら、物語は過去を語ったり振り返ったりせず、まっすぐと前に未来に向かって進んでほしいものです。
ドント・ルック・バック!
とは言い条、拙作『ぼくがぼくに変身する方法』でも、最後の最後に時系列がスイッチバックしていますけど。
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