
朝の通勤バスで一緒になる男性(推定年齢40歳代)がいるのですが、この男性、バスがある場所に差し掛かると窓の外に向かって手を振ります。何気なく、手を振る方角を見ると、誰もいません。
まあ、バスは動いているので通り過ぎてしまったのだろう、くらいに思っていました。
で、次の日、次の次の日も注意して探してみたのですよ。男性が手を振る方角に誰がいるんだろう、と。
ところが、いっこうに誰も見つかりません。
もしかして、他の人には見えないナニカに向かって手を振っているんじゃあるまいな!
そういえば、男性は日に日にやつれていくようにも見えます。
そんなことが続いたある日、ぼくにも見えました。
男性が手を振る方角にいるナニカ、が。
それを見た瞬間、背中に製氷皿いっぱいの氷を流し込まれたような寒気が走りました。とっさに目を反らしたのですが、目に焼き付いたナニカは消えてはくれません。
目を閉じてもダメです。
その晩、夢を見ました。
男性が手を振っていたナニカの夢です。
ナニカは言いました。
「気づいてくれて、ありがとう」
「……」
「これからは、よろしくね」
「……」
「そう、長いことじゃないからね」
ナニカの口が、急に耳まで裂けてニタリと笑いました。

ということはまったくなく、よく見たら、男性が手を振っている方角に真新しいマンションがあったのですよ。
そこの三階の窓から、4歳くらいの男の子と母親らしい女性が手を振っていました。
北海道もだいぶ暖かくなって、パパが出勤するときに窓を開けてお見送りができる季節が来たんですね~。
この記事へのコメント
海
いや~、なかなかグッとくるというか、
ジ~ンとしてしまいました。
私の娘も3~4歳ぐらいの時は、私が出勤して
マンションのエントランスを出て道路を歩いてると
遠くの3階のベランダからカミさんに抱っこされた
娘が大きな声で、「パパ~!!行ってらっしゃい~!!」って
よく見送ってくれました。
そんな事を思い出したら胸が熱くなってきましたよ(笑)
「さすが、しろまめくんだね。いい記事だよ」
なんて感じでコマ枠外から褒めたくなる気分であります(笑)
しろまめ
コメントありがとうございます。
小さい子のお見送りって、格別ですよね。
たとえ自分に向けられたものでなくても、グッときます。
今度、その男性の後ろに座っていっしょに手をふってやろうかな?
さすがは、しろまめくん。つまらないイタズラを思いつくのはパタリロ並だね!
と、スタンプくんに枠の外からほめてもらえるかしら?(笑)