大津の旅~三日目は近江八幡→彦根城その2

近江八幡といえば、やはり「八幡堀めぐり」は外せませんね。江戸時代の情緒を今に伝える石積の堀を船でめぐれば、往時にタイムスリップしたかのように……。
感じるかも知れませんが、ちょっと待っていただきたい。
この堀と水路は、最近になってできたレプリカらしいですね。八幡堀は1980年代ころ、老朽化が進んだため埋め立ててしまおうという議論もあったそうです。それに反対する市民運動が起こり、復元工事をして観光資源として残したのが、今の八幡堀だそうです。埋め立てて道路にしてしまえば、そのときは便利だったかもしれませんが、今のようにたくさんの観光客が訪れる魅力的な町並み作りをすることは困難だったでしょうね。
ということを堀めぐりの船の中で聞いて、「はてな? どこかで聞いたようなハナシではないか?」と思う間もなく気が付きました。小樽運河とそっくりなんですね。
全国に似たようなことは多いのかもしれません。

八幡堀の中で、当時のものと復元工事されたレプリカ部分との区別はよくわかりません。まあ、河畔に降りる広い階段状の通路は現代のものでしょう。堀の位置や、野面積みの部分は当時のものかなあ。

例えばこの写真。手前の階段は明らかに新しいものですが、水路の向こうに見える石垣は当時のものっぽい。
(個人の素人推測です)

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橋の下や、左手の常夜灯が乗っているのは当時の石垣っぽい。

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ただし橋については両端部分(橋台部分)は、表面は当時のものだとしても内部は現代の工法で補強されていると思われます。
(個人の素人推測です)


八幡堀めぐりは、7人ほどの客が乗り合いで行きます。船内では、録音されたアナウンスによるガイドが聞けます。上述の再生工事もガイドにありました。
30分ほどの船旅で、昔情緒あふれる八幡堀エリアを出て、通常の市街地まで進みます。きっと地元の人達は「今日も観光客がたくさん来ているなあ」などと思って見ているのか、それとも見ていないのか。
そういえば住宅街を行く途中、小さなヘビを見ました。船のエンジンが出す音に驚いたのか、水面を泳いですいと低い石垣をのぼって茂みの中に消えていったのですが……。内田百閒が『阿房列車』の九州八代編を思い出しました。八代の温泉旅館で、小さなヘビが池を泳ぐのをヒマラヤ山系氏と一緒に見た、というエピソードです。百間先生と違って、ヘビはどうやって泳ぐのかという議論はしませんでしたが。
また、この日はお祭りだったらしく、コースの終端近い場所でお神輿をみかけました。大きなお店の前で「ワッショイワッショイ」していたので、きっと寄付をたくさんくれた家なのでしょう。引き返してくる時も、同じ場所でワッショイしていたのですが、いったいどれくらい寄付したのだろう。いや、寄付とは関係ないのかもしれませんが。

往路はアナウンスのガイドがありましたが、復路は無音です。エンジン音だけが低く響く船内のテンションもずいぶんと下がったような気がします。なぜなら、行くときは乗客たちは皆一様にはしゃいでいて、写真や動画を夢中になって撮っているのですが、帰りはなぜか皆さんボーっとしているのですね。静かに景色を楽しんでいるようでもありますが、「このへんはさっき見たよね」という雰囲気もあります。

写真を撮るなら、ほかのお客さんがあまり動かない帰り道がいいかもしれません。
撮影する方向としても、往路よりも復路のほうがいいような気がします。なぜなら、そのほうが情緒あふれる八幡堀エリアに向かう方向だから。やっぱり、でる景色よりも入る景色のほうがよくない?

これは往路で撮った写真。
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これは復路、というか船着き場に戻ってきたところ。
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最後の写真は、上陸してから食べた近江牛の肉うどん。

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よく煮込んだ肉が柔らかくて美味しかったです。



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