先日、いつもコメントをくださる海さんがカラスの賢さについて記事にされていました。その賢さのゆえに、カラス対策が強化されたら賢さが仇になってしまう。その様子は、ほかの鳥から見たら「カラスってバカだな~」ということになるのか、ということでした。
まあ人間も同じですよね。その賢さのゆえに文明や科学技術を発達させたものの、それを使いこなせずに危険な目にあうことも多いわけです。もし人類とは別の知的な存在、宇宙人とか幽霊とか妖怪とかが、そういう人類の様子を観察していたら、「人間ってバカだな~」と思うのかもしれません。
そこまで大きなハナシでなくとも、賢い人が作業を効率化させたとしましょう。その結果、その作業にかかる時間が短くて済むようになったり、それまで5人でやっていた仕事を3人でこなせるようになったとしましょう。経営者側にとっては、たいへんけっこうなハナシですが、働く人間にとってはどうでしょう。時短によって、給料を減らされるかもしれません。あるいは人手が少なくて済むので、仕事にありつけない人が出てくるかもしれません。新しい仕事にありければいいけど、なかなかそうはいかないでしょう。
そうなると、作業を効率化した人は賢いのか愚かなのか評価が別れます。
その人が労働者であれば、自らの首を締めたようなものです。効率化を思いついたことは賢いけど、その結果を考えなかったことは賢いとは言えないかもしれません。
経営者が効率化を考えのであれば、経費を抑えるという意味では賢いと言えるでしょう。しかし、その結果、失業者が増えて景気が悪くなったり社会不安が大きくなるようなら、経済全体にとっては決して賢いことではなかったかもしれない。
では賢いやりかたとは、どんなものか?
効率化によって、あまった時間をどう使うか、仕事をなくした人手をどう使うか。そこまで考えてから効率化して、初めて賢いと言えるのではないかなあ。
この記事へのコメント
海
この件については、我が社では
いまだに語り草みたいになってる話があります。
我が社には監査室マネージャーのKさんという
方がいました。癖のある人であり、営業マネージャー
としての能力はまったくなく、店舗勤務だと
体力がなく売場に立てず、なんて感じです。
行きついた先が監査室でして、なぜかそこで能力を
発揮します。「監査」という権力を持ち、
全国のお店を監査し、ビシビシと指導します。
まるで「警察」のように恐れられてました。
店舗を統括する営業マネージャーが日々の業務で
お店をきちんと指導しないからいけないんだ、
なんて感じで会社に進言し、「マネージャー店舗監査」
という業務をあらたに作らせました。
監査室の仕事が大変だから、営業マネージャーの
業務に店舗の監査を代行させようとしたのです。
そうしましたら、「監査マネージャー自体、いらないじゃん」
なんて話になり、結局Kさんは監査室マネージャーの
職務を解かれ、店舗スタッフに逆戻り。
もともと体力がないので、売場に立つのが辛く、
結局、退社しました。
監査業務が大変だから、負担が減るように業務の
効率化を計ったら、結局自分の居場所が
なくなってしまったケースであります(笑)
しろまめ
コメントありがとうございます。
秘密警察のように恐ろしい存在になって社内に君臨したのかと思ったら……。
自分で自分を粛清してしまうとは、職務忠実にもほどがありますね(笑)。
でも、海さんのお勤め先が良識的だったのでしょう。普通なら、いったん秘密警察の力を入れた人間を引きずり下ろすのは至難の業なのに。
「いらないじゃん」と、まるで「王様は裸だよ」と気づいた子どものように素直に気づく組織の力は素晴らしいです。
もしかしたら結局のところ、もともとKさんは社内の評判が芳しくなかったようですから、うまい具合にはめられたのかも。
その背後では、海耕作が暗躍していたかどうか(笑)。