書き直すのは最初から

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以前、先輩作家さんのブログ(noteだったかもしれない)で、
「(作品の)書き直しをするときは、直すところだけじゃなくて、ぜんぶ書き直す」と書いておられました。

それを読んだとき、「なんと手間のかかることをするのか!」と驚いたものです、正直なところ。だって、会社で作る書類などは、間違いがあったら間違っている部分だけ直しますよね? 見積書や請求書で単価が違っていたら、単価を直しますし、数量が違っていたら数量を直すだけ。最初から作り直していたら時間がかかるし非効率だし、なにより、同じところで間違えないとも限らない。

ですが、作家が書き直すのはビジネス文書ではなく小説です。最終段階で誤字脱字や「てにをは」を直すなら、さすがにそこだけ直すでしょう。しかし、物語の構成とかを修正するときは、部分的な修正をしてつなぎ合わせるよりも、最初から書き直したほうが早い場合もある、ということがわかってきました。無精してエピソードを修正したり削ったり付け足したりしていると、しまいにはグチャグチャになってしまうんですよ。

先輩の言葉には、やはり含蓄があるものです。ぼくも含蓄がありそうなことを書きたいものですが、頭だか尻尾だか分からない話が多くて困ります。

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