その日も、デレデレグズグズと電話していました。場所は札幌地下街の公衆電話。電話ボックスではなく、通路の端に電話が置いてあるタイプの場所でした。かれこれ百円玉30枚分も話したころでしょうか。いきなり後ろから背中をつつかれました。 振り返ると、十人以上の行列ができていて、その先頭の女性が「まだですか?」とつついてきていたのです!
女性の後ろには、かなり苛立った表情の男性や怒りに燃える目で睨みつけてくる若者、呆れ果てた顔でさげすむようにしているおばさんなど、いずれも並び疲れて怒りも峠を越して、次に怒りのピーク達したときは命の保証はないものと思えという声が聞こえてくるようでした。テレパシーが使えなくてよかった!
驚いて、ガールフレンドに事情を話して慌てて切り、まさに這々の体で逃げるようにしてその場を立ち去ったのはいうまでもありません。あんなことは当時でも珍しかったんじゃないかな。公衆電話の順番を待つ人が十人以上も並ぶだなんて。まるでマンガみたいな、本当の話。
だけどねえ。並んでイライラしているよりも、別の電話を探しに行ったほうがよかったと思いますよ。当時は公衆電話なんていくらでもあったんですし……、と書いて当時の行列の人に読まれたら命の危険が危ない!
この記事へのコメント
海
いや~、なかなかグッとくるエピソードですね!
そういえば、昔の4コマ漫画とかって、
このような公衆電話の長電話をイライラしながら
待つ、みたいなネタが多かったように思います。
植田まさし先生の、かりあげクンとか。
待たせてるのは、もちろん、かりあげクンです(笑)
それにしても公衆電話に関する思い出はイイですね~。
私も中学生の時に、家の電話を使うと親にバレるのが
嫌だから、夜に抜け出して公園の脇にある
公衆電話から好きな同級生の女の子の自宅に
電話したりしました~(しみじみ)
しろまめ
コメントありがとうございます。
公衆電話の順番待ちでイライラなんて、今では想像もできませんよね。
そう考えると、笑いとかネタというも時代の徒花なのかもしれません。
中学生のころ、家を抜け出して電話も当時の若者文化ですね。これもまた、スマートフォンの時代では有りえない。
海さんとぼくとは10歳くらい違うのですが、ぼくが中学生のころは家を抜け出して電話、はなかったかな。
うちが厳しかった……というか夜間の外出などご法度でしたので、中学生が夜に買い物に行くとか、家を抜け出してとか羨ましさしかなかった。
過保護とでもいうのか心配性とでもいうのか、夜、外に出ると危険な目に会うと信じ込んでいる親でしたので。
別に繁華街に行こう、っていうんじゃないですけど。もっとも、今と違ってコンビニエンスストアなんてない時代ですから、外に出ても何もできなかったですけどね。
電話するような友達もいなかったし(笑)。