たぶん、最初に完成させたのはハードボイルド小説の公募案件に出した作品のはず。原稿用紙換算で……百枚はなかったんじゃないかな。ノベルスの短篇、みたいな募集だったのかも。もちろん落選でしたけど、どなたがどんな作品で受賞したのか、まったく覚えがない。
きっと、落選した時点で興味を失っていたのでしょう。このころは、公募への応募はほぼ賞金目当て。万が一、本にでもなれば「印税でまた儲かるぞ、イッヒッヒ」くらいの気分だったのかな。まあ、賞金目当てがいけないということはありませんが、自分自身について言えば、志が卑しすぎました。
そんな下卑た気持ちで書いた作品の主人公は、やっぱり読者の共感を得られそうもないヤツでした。に爽快さの欠片もない。まるで若い頃の自分のようです。
・主人公はうだつの上がらない営業マン
・薄汚い雑居ビルのトイレで悪態をついている
・同ビルにある会社に営業をかけたが罵倒されて追い出された鬱憤のため
・トイレに抗争で追われたヤクザが逃げ込んでくる
・主人公の眼前で追手に射殺される
・主人公は死んだヤクザが持っていた回転式拳銃を持って逃げる
・拳銃を持ったことで、主人公は見違えるように強気になり営業成績も上がる
・とある酒場で、自分を罵倒した男を見つけて挑発
・男と喧嘩になると、拳銃で脅して土下座させた挙げ句に金を巻き上げる
・さらに気が大きくなったところで、ヤクザと喧嘩をする
・拳銃で脅すがヤクザが引かないので、逆上しつつ引き金を引くが
・発砲せず、ナイフで刺されて死ぬ
・ヤクザが去ったあと、目撃していた男が拳銃を確かめると、弾丸は撃ち尽くしたあと
・回転式拳銃の弾倉に残った薬莢を見て、主人公は残弾ありと勘違いしていた
・目撃していた男は、「そんなんじゃダーティーハリーになれないぞ」と言い残して立ち去る
・朦朧とする意識の中で主人公は「ダーティーハリーって誰だ?」と問いかける
これも陰惨ですね~。なによりも主人公の鬱屈がよくない。
しかも「ダーティーハリーって誰だ?」のセリフなんて、アーノルド・シュワルツェネッガーの映画『レッドブル』からの盗用ですし。
うわ、今、「盗用」って書いたら、とてつもなく悪いことをしている気分になりました。まあ、引用としてもヨイのかもしれませんが、「香炉峰の雪」みたいなワケにはいかない、と思うですよ。
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