「長い文章はChatGPT(生成AI)が要約を返してくれるので本を読む必要はないです」
得意げに、当たり前のように語るのは、本書に登場するインタビューを受けた女子大生です。本書の大きな主題が、このイラストに集約されているとすれば、まさにテキストよりもビジュアルのほうが訴求力があるという証明のようでもありますが、それはまあ、別のハナシとしておいてください。
長い文章を生成AIが要約してくれたとして、それが正しいかどうか。もちろん、自分で読んだとしても、勘違い、誤読はありうる。しかし、最初から生成AIが作った要約を鵜呑みにするのは危険ではないか。しかも、それを読んだだけでヨシとして、本は読まないって……。もちろん、無理してすべての本に目を通す必要はないですし、そもそもできっこない相談ではありますが。研究や仕事の資料としての本を、じっくり読む時間がない。だから生成AIに要約させる、という使い方は確かに有りかもしれない。しかし、そういう重要な資料を生成AIの要約で済ませることに不安はないのか?
そこまでシビアな用途ではなく、たとえば人との話題作りのために評判になっている本の要約を生成AIに作らせて、それをハナシのネタとして仕込んでおく、くらいの使い方なら?
いや、それだって、生成AIが間違った要約をしていたら、読んでいないよりも恥を書くことになりかねません。まあ、もっとも、相手も生成AIの要約しか知らない、ということはありえますが(笑)。
このように、イラストを批判するのは簡単ですが、実は似たようなことは自分もやっています。新聞の書評欄で紹介されている本を見て、面白そうだなと思いつつも、「けっこう値がはるなあ」「読めるかなあ、読めたとして理解できるかなあ」「こっちの本も読みたいし」などと逡巡したあげく、書評欄のまとめだけ読んで「これがわかればいいか」なんて思って本を買わない自分が、生成AIの要約をもって「本を読む必要はないです」と言い切る女の子とどう違うのか? いやいや、こっちは頽齢の貴公子で、あっちはうら若き乙女だという違いは明らかです。
書評があまりにもうまくまとまっていて、その本の知見を上手に紹介してくれているので、本は買わず仕舞い。それじゃあ版元や著者にしてみたら、書評欄で紹介してもらった意味がありませんね。いや、たまには買いますよ。
紹介された本を買うといえば、いつもコメントをくださる海さんが紹介してくださる本は、買ってしまうことが多いですね。今回は、『数に強くなる(畑村洋太郎)』を買ってしまいました。
これは海さんとぼくとで、趣味や思考、考え方が似ていることも一因ですが、海さんの紹介文が絶妙に面白そうという点が大きいでしょう。本に書いてあることと、ご自身の体験や実感を交えて書いてあるところも、その本をより読みたくなるポイントだと思います。
海さんなら、『本を読みたくなった人たち』という本が書けるかも!?
この記事へのコメント
海
私の拙い書評を参考にご購入いただけるとは
恐縮です(汗)
それにしても、「AIの要約」というのは
面白いですよね。
私の会社は最近、Googleワークスペースを
会社として有料版(?)を導入した関係上、
私たちのメールもすべてGメールになったのですが
Gメールって、なぜか勝手にメール本文を
要約してくれる時があります。
全部ではなく、なぜか冒頭に要約文がついてる時があるの
ですよ。(仕組みがいまいち理解できない)
それも、「海はしろまめに本を購入してくれた事に対し
お礼を述べました」
みたいに、「呼び捨て」なんですよね。
海さんとか、しろまめさんではなく、
敬称略のところがグッときます(笑)
しろまめ
コメントありがとうございます。
あの鬱陶しいGメールの要約とか返信文の書き直しとか、
毎回毎回、「ええい、余計なお世話だ!」とキャンセルしていましたよ(笑)。
「設定」→「全般」→「スマートリプライ」→「スマートリプライをオフにする」で解除しちゃいましたよ(笑)。
要約で敬称が略されるのは、英語モードの仕様なのかもしれませんね。
登録されている宛先と差出人のデータから読み込んでいるだけで……まあ、たぶん。
しらんけど(笑)。