人間の経済(宇沢弘文)

宇沢弘文の著書ではなく、講演やインタビューをまとめたものですが、誰もが知る名著、と言ってもいいのでしょう。 ずいぶん前に買っていたのですが、最近になってやっと読みました。 本書のあちこちで、頭をガンと殴られたほどの衝撃を受けましたが、その最たるものは「大切なものは決してお金に換えてはいけない」ということです。 人間にとって最大の悲劇とは、大切なものを権力に奪い取られること。追い…

続きを読む

キャラクタの性格や事情の説明は大事

お話を書いていて、キャラクタが勝手に動き出すなんて偉そうなことを書いてしまいましたが。 それは書いているお前の頭の中だけだ、という状態もありえます。書いている自分は、キャラクタの創造主です。だからキャラクタの性格も背景にある事情もよくわかっている(つもり)。 ですが、読者はそうではないんですよね。 キャラクタの性格や諸々の事情が十分に理解されていなかったら、「こいつはなんでこんなこ…

続きを読む

広告をブロックしてくれるブラウザBraveを使うユーザが少ないのは

オルタナティブ・ブログの「色々やってる社長のブログ」に、「広告ブロックブラウザ「Brave」はなぜ普及しないのか?」という記事がありました。 ぼくも愛用しているBraveは、広告に煩わされることのないブラウザです。それなのに市場シェアは1%にも満たないらしいのは、いったいどういうワケなのか。 結局のところ、ほとんどのユーザは面倒くさいのでしょう。広告をブロックしてくれるとは言い条、アプリ…

続きを読む

覚えのないタロットカードがポケットから出てきたら

上着のポケットから、一枚のカードが出てきました。これはタロットカードかな……と思ったら、違いました。 知らないうちに、ポケットにタロットカードが入っていたら怖くもあり面白そうでもあるのですが、世界はそんなに刺激的ではなく極めて散文的なものです。 カードの正体は、4月に新橋でマンガ原作者の黒沢哲哉さんお会いしたときに入った喫茶店のショップカードです。 カフェ・ラ・ミル、というお店…

続きを読む

中学年向けの曖昧さとか幅の広さとか

拙作『ぼくがぼくに変身する方法』は、中学年向けです。福島正実記念SF童話賞の規定ですから。 ただ、この「中学年向け」というのがむずかしい。中学年といえば小学校3~4年生ですが、当然、子どもひとりひとりで読解力も違いますし、読書習慣も異なります。 3年生と4年生の差、というのも存外大きいでしょうし。 たぶん、あまり本を読み慣れない子なら、「中学年向け」に書かれた(四百字詰原稿用紙で)…

続きを読む

キャラクタが動き出す

漫画家さんとか小説家の方が、「登場人物が勝手に動き出すので……」みたいなことをおっしゃいます。 そういうことが本当にあるのかなと、かつては半信半疑だったのですが。 実際に自分でも物語を書いているとわかります。あるんですよ、そういうことが。 執筆がノッてきてキャラクタの性格などがはっきりしてくると、場面々々で、そのキャラクタがどういうふうに行動するかがおのずと決まってくるというか…

続きを読む